リコッタチーズパンケーキ

ヴァンガードのデッキ考察したり、アイマス関連だったり、FGOやったり、EDHやったり、映画の感想書いたりするやつ

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『シン・ゴジラ』 感想

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こんばんは。だいぶ間が空いてしまいましたが、どうにかこうにか生きています。今週は(何故か)バイトのシフトも夏休み状態なので、書き溜めていたブログの記事投稿を進める週間にしたいですね。

 

前置きはここまで、今回は先月、7月29日から大絶賛公開中の『シン・ゴジラ』を観てきたので、その感想を書いていこうと思います。

正直公開からかなり間が空いているので、ネタバレに躊躇しないで書いていこうと思いますが、念の為に今後観る予定で、ネタバレを入れたくないという方は注意してください。

 

 

 

 

まず全体的な感想としては、庵野秀明はここまでできるのか!と唸らせられる出来でした。終わった瞬間にスタンディングオベーションしたくなった映画は初めてです。幸いにも僕以外の方も同感だったようで、上映終了後は拍手で映画館が包まれていました。本当にこの映画、公開からひと月経ってるのかなぁ・・・。

ゴジラ」という未知の存在に対する、現代の日本政府というのが大まかな対立構造ですが、またこの日本政府のリアリティがすごい。本当にこんな感じで書類を回し、会議を行い・・・といった感じで災害への対策を進めているんだろうなーと思ってしまうほどのリアリティです。

場面を追いながらの感想としては、序盤の、主人公である矢口を除いた、各大臣や政治家たちの発言が全て裏目に出るのも面白い。コントかよ!と言いたくなるほどのテンポで裏目に出まくるので、緊迫した状況のはずなのに笑いがこみ上げてきます。

そんな巨大な生物、いるわけないだろ!

いた

 

動くのか!?

そりゃ生物だから動きますよ

 

上陸しても自重で潰れて死ぬから上陸しません

上陸した上に別に死なない

政治家たちが会議ばかりしているというのが他の方の感想でもありましたが、お堅い会議をしているはずなのに笑いしか出てこないのがこの序盤です。本気でやってるからこそ、笑えてくるんでしょうか。

そんなこんなで笑わせてもらった直後に初めてビジュアルが出てきたゴジラの気持ちの悪さにビックリ。観るまで情報をなるべく入れないようにしていたので、ポスター等でメディアに露出していたゴジラと全く違う、肺魚のような生物がただのたくって東京を破壊していく様には驚きました。一緒に観に行った友人は複数回目の鑑賞だったので、「見慣れて可愛く見えてきた」などと言っていましたが、初見はまず生理的嫌悪感が強いビジュアルだと思いました。

そんなゴジラは実は第二形態で(第一形態は海で蒸気プシューってしてた時)、東京を破壊していく最中でついに直立し、第三形態に進化します。微妙にポスターと違うビジュアルにあれ?と思いましたが、ゴジラらしいビジュアルに一安心(?)。

空自と戦い始めるのか!?と期待したところで、線路内に避難中の老夫婦がいたので攻撃取りやめになったところは肩透かしをくらった感じがありましたが、攻撃中止命令の理由に総理の人間性やポリシーが見えてきたのでいいシーンでしたね。

自衛隊が国民にその弾を向けて撃ってはならない!

というセリフは、個人的にこの映画の名セリフトップ3を争っています。

その後、ゴジラがUターンして東京湾に戻り、つかの間の平和がやってくるわけですが、公園でランニングをしている人がいたり、登下校している学生がいたりして、ある意味日本の平和ボケを象徴しているシーンなのかなと思いました。次いつ来るのかわからない脅威が一瞬去っただけで、普段の生活に戻れてしまうほど危機意識がないのが今の日本なんだということを主張したシーンなんじゃないでしょうか。

その過程で巨災対(巨大不明生物対策本部)が設立されたり、巨災対が対ゴジラ作戦を立案したり、米国から石原さとみ(役名忘れた)が来たり、ゴジラの登場を予言していたとされる研究者がいたという話が出たりととあーだこーだやっているうちに、ゴジラが2回目の登場を果たします。

鎌倉に現れたゴジラは第三形態よりも進化しており、この時点では第3.5形態といった感じでしょうか。自衛隊の猛攻も意に介さず、自衛隊を叩きのめして再び東京へ進んでいきます。

この自衛隊ゴジラ、劇中呼称でタガ作戦、僕のお気に入りの戦闘シーンの一つです。日本の「力」としての自衛隊と、あくまで自然現象であるゴジラとの戦いですが、その兵器もまるで効かず、ただやられていくだけだというのは、人間の無力さを叩きつけられているようで、絶望感を煽られます。それでも果敢に立ち向かう自衛隊員たちの奮闘と、航空機や戦車がとってもかっこよくて、男の子心がくすぐられるシーンだと思いました。

都心に進んでいくゴジラ。このままでは官邸も危ないというわけで主要登場人物たちが立川へ退避し、その間に米軍がゴジラに対して攻撃を仕掛けます。

この時、米軍の兵器はゴジラに有効打を与えているのを見て、なんとなく日本と米国の力の差を感じましたね。劇中でも、「さすがは米軍だ!」というセリフが飛び出しましたし。

米軍の攻撃に呻くゴジラ、これで倒せる・・・!と思った瞬間、ゴジラの背びれが発光し、口から放射熱線を発射!米軍機が1機撃墜され、背面から攻めた残り2機の米軍機も背中からの拡散熱線で撃墜されます。米軍の「力」がゴジラという自然の「力」を覚醒させてしまい、ゴジラが第四形態に覚醒してしまったのでしょうか。めちゃくちゃに放射熱線を放つゴジラ。そのうちの一つの熱線が、主要閣僚が乗ったヘリに直撃し、総理以下数名の大臣が即死してしまいました。

このシーンはゴジラの恐ろしさと強さに戦慄していたのですが、ヘリが撃墜させられるシーンはなぜかやたらテンポがよくて、またしてもシリアスな笑いがこみ上げてきました。鑑賞した帰り道で、友人たちが「内閣総辞職ビーム」とか言いだしたのも相まって、ヘタすると、この映画で一番笑ったシーンかもしれません。

結局ゴジラは東京駅付近で停止。そのまま休眠状態に入ります。

やっぱりゴジラもビームを放つと疲れるんでしょうか。めっちゃくちゃにバラ撒いていたせいもあるのかもしれませんが、ゴジラも生きてるから寝るんだなぁ・・・と謎の感心をしました。

生き残った矢口と巨災対、そして米国から来た石原さとみ率いるゴジラ研究チームでゴジラが再度活動開始する前に、先に検討していたゴジラ凍結作戦、「矢口プラン」を実行しようと、研究を続けます。しかし、国際的にゴジラが脅威とみなされたために国連軍がゴジラ対策として、東京に核を放つことを決定。日本は都民を避難させるための猶予期間として2週間が与えられました。矢口プランを実行するための、日本を終わらせないためのタイムリミットが、明確に設定された瞬間です。

このあたりの展開は、いよいよクライマックスへと物語が加速していき、グイグイと引き寄せられていきました。ゴジラを凍結させるための血液凝固剤の種類の選定、ゴジラ登場を予言していた研究者が遺したデータの解析と、巨災対が必死に頑張る姿には胸を打たれます。折り鶴のヒントから、資料を解析したシーンは、『ガンダムF91』においてあやとりをヒントにバイオコンピューターを起動するシーンを思い出しました。

解析するために、世界中のスパコンを使って同時演算させる必要になったシーンでは、ドイツの責任者が「人間を、信じましょう」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。世界がひとつになった瞬間といいますか、そういった確たる団結の瞬間といえるシーンだと思えて、涙が出そうになりました。

解析も終わり、凝固剤の選定もでき、光明が見えてきたところに、タイムリミットに間に合わないという凶報が飛んできます。あと1日あれば矢口プランを遂行できる・・・そう焦りが見えたのも本当に一瞬。矢口の友人がフランス政府にパイプがあったために、フランス政府を説得。米国から来た石原さとみも米国政府と交渉し、なんとかタイムリミットを伸ばし、なおかつ米軍の協力を取り付けることに成功。こうして矢口プラン改め、「ヤシオリ作戦」が決行されます。

一瞬の絶望感と、それを一瞬で払拭してくれる矢口とその周辺の人物たちの有能さ、頼もしさは本当に見ていて安心させてくれました。このメンバーならばなんとか出来ると思わせるハイスペックさがなければ、多分ぼくはこのあたりで怖さのあまり泣いてると思います。

そしてヤシオリ作戦決行当日。前線で実際に作戦を遂行する自衛隊員に激をとばし、矢口自身も前線指揮官として現場に立ちます。無人の新幹線爆弾で休眠しているゴジラを叩きおこし、米軍無人機の爆撃と、それに対抗して拡散放射熱戦をゴジラに放たせ、ゴジラの体力を消耗させていきます。ゴジラが熱戦を放てなくなった頃合をみて、無人電車爆弾でゴジラを転倒させ、周辺のビルを爆破することでゴジラの身動きを封じます。

そしてゴジラの口内に血液凝固剤を投入。ゴジラを凍結させようとしますが、第一波はある程度投入したところで、多少回復したゴジラの放射熱戦で全滅。しかしゴジラの動きも鈍っているので、再び猛攻をしかけ、ゴジラを再転倒させ、再び凝固剤を投与します。ゴジラを凍結させるのに必要な凝固剤を投与し終わっても、未だゴジラは凍結しません。一瞬の緊張がよぎるなか、ゴジラが再び立ち上がります。最期の抵抗をしようとするゴジラ。しかし、凝固剤が効力を発揮し、ゴジラは体表温度-196℃となり、完全に凍結しました。人類は、日本は、ゴジラに勝つことができたのです。

ヤシオリ作戦の展開は常に手に汗握る攻防でした。巨災対のメンバーが導き出した作戦なのだから、きっと成功するはずだという確信がありつつも、あまりにも強大なゴジラの力を散々見せつけられているので、果たして勝てるのだろうかという不安もあり、常に目が離せませんでした。いざゴジラが凍結し、矢口が後ろを振り返って作戦完了の意を告げた時も、突然ゴジラが発熱して矢口たちに向かって放射熱線を撃ってくるんじゃないかと、気が気ではありませんでした。それほどまでに、ゴジラは強大な存在として描かれていたわけですね。

その後はエピローグといった感じで、東京復興の話や、どかすこともできない凍結したゴジラが東京駅跡地に鎮座し、矢口と米国から来た石原さとみが語らって、その後に白骨化しつつあるゴジラが映ってスタッフロール。

 

全編通して「ゴジラ」という存在の強大さ、恐ろしさを叩きつけられつつも、日本の底力でなんとか退けるという、言ってしまえば「よくある話」なのですが、倒すまでの圧倒的絶望感からの、勝利というカタルシスはとてつもないものでした。落としてから上げるのが非常にうまいと唸らされるばかりです。

特にこのゴジラの恐ろしいところは、「なぜ東京に執拗に上陸していたのかわからない」ところだと思います。劇中でゴジラが生まれた原因はわかるのですが、ゴジラの食料となる放射性物質があるわけでもない東京をただひたすらに、意味もなく破壊していく様はまさしく「恐怖」の一言です。相互理解不可能、ただそこにいるだけで害となる、生きているだけで害になる、まさしく「害獣」なのですが、そもそもの発端は人間が放射性物質を海底に投棄していたためであって、この人間側の因果応報なところはゴジラシリーズの本筋に沿っていますね。過去の罪が今を生きる我々人類に降りかかってくるというのも「恐怖」の一つではないでしょうか。

そんな「恐怖」に負けず、ただ未来を見据えて戦う矢口たち巨災対の姿は応援したくなり、またその姿勢に勇気をもらえました。本当に巨災対のメンバーがかっこよくて、近年のキャラクターたちの中ではとても好きなキャラクターになりました。キャラクター造型がとても優れていたと思います。

 

総括すると、テンポよく物語が進んでいき、シリアスな笑いあり、絶望感あり、カタルシスありで素晴らしい映画だと思います!二回目も見たいと思わせてくれる内容でした。公開中に、なんとか二回目を見に行こうと思います!

 

今回はここまで。次回はいよいよFGO6章の感想を書いていこうと思います。それではまた次回。