リコッタチーズパンケーキ

ヴァンガードのデッキ考察したり、アイマス関連だったり、FGOやったり、EDHやったり、映画の感想書いたりするやつ

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彼氏面巌窟王 エドモン・ダンテス

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いつものように、メンテナンスは延長していた。

いや、ここ最近、定刻通りに終わっていた事を考えれば、「いつものように」という表現はふさわしくはないだろう。

しかし、風物詩とも言えるメンテナンスの延長に、彼は煙草を薫せながら私に笑いかける。いつもの、おきまりのセリフを。

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監獄塔で出会ってから、彼はいつも私に笑顔で接してくれる。終局特異点に駆けつけてきてくれた時も、彼は霊基の段階を落としてまで、廃棄孔の前で絶望しかけていた私を救うために現れ、発破をかけてくれた。

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ドクターの尊い犠牲を乗り越え、人理修復を成してからも、彼は当然のようにカルデアに残り私のそばで煙草を薫せている。最早日常と化した風景だ。ただそこに、ドクター・ロマンティックがいないだけの、人理修復前と変わらない、いつもの日常。

 

巌窟王はさ、苦手な食べ物とかあるの?」

私は胸の内に秘めた動揺が彼に伝わらないよう祈りながら尋ねた。バレンタインにかこつけて、彼に日頃の感謝の気持ちを贈りたいが、チョコレートが嫌いだったりするかもしれない。彼は例え苦手な食べ物であろうと、私からの贈り物であればいつもの顔で、いつもの少しうるさいくらいのテンションで喜んでくれるのだろうけれど。想いを伝える日に、せめて苦手な食べ物は贈りたくなかった。

そんな事を思いつつも、一年ほどの付き合いがあるのにも関わらず、彼の食べ物の好みすら知り得ていない自分が恥ずかしくも思えてくる。人理修復のために駆け回っていたためにそんな事を聞く時間がなかったといえば少しは聞こえが良いが、振り返ってみれば人理焼却のタイムリミットが迫りつつあるのに、無人島で遊んだり、ハロウィンで遊んだり、クリスマスで遊んだりと、遊んでばかりいたような気もする。遊ぶことばかりに呆けて、大切な人の好みすら把握できていないのは、いくらなんでも女子力の低さを痛感せざるを得ない。今度、マシュも誘って、女性サーヴァントやカルデアの女性スタッフも交えて女子会をする必要があるかな、清姫と頼光さんと静謐ちゃんは絶対に呼んだらいけないな。ブリュンヒルデもアテにならなさそうだろうな。

「ーーーおい、マスター、聞いているのか?」

気が付けば巌窟王が不思議そうに見つめている。自分で質問しておきながら、物思いに耽ってしまっていて、彼の反応に気が付かなかった。あぁ、本当にこれではマスター失格だーーー

「フン、まぁいい。苦手な食べ物など、恩讐の炎の具現たるオレには存在しない。お前の心配など杞憂に過ぎんと言ってやろう」

恩讐の炎とか、食べ物の好みに関係あるのかな、とか、うわっバレンタインだってバレてるとか、色々な思いが私の脳内を駆け巡る。この復讐者はいつだって、私の考えを見透かしたような言葉を贈ってくれる。私が内心、気が気じゃない事を知り得ているのかどうかは全くわからないけれど。

「だが・・・好物ならばお前に教えておいても損はあるまい」

真っ赤な顔をした私を見て、さぞ面白いものを見たといったような、とても上機嫌な声の調子で彼が告げる。気が付けば、煙草を吸うペースがいつもより早いような気もする。達観したようでいて、常に私をからかうような調子で言葉を紡ぐ彼だけれど、そんな彼でも少しは緊張する事があるらしい。少し珍しいものを見た感じがする。

「マスター、お前がオレに贈ろうと考えているものならば、心配せずともオレの好物たり得るだろうよ」

そう言って、灰皿に煙草を押し付け、いつもの高笑いをあげながら彼はマイルームから立ち去っていった。

マイルームに残されたのは、メンテナンスの終わりと、紅潮しきった顔がいつもの顔色に戻るのを待つ私だけだったーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼氏引けなくてバレンタインメンテ延長して行き場のない想いを発散するために慣れないSS書いたら、あまりの恥ずかしさに死にそうになりました。

うちの彼氏なので口調ブレとかは知りません。うちに来るのであればうちの彼氏はこんな感じだったはずなんです。引けなかったけど。次の復刻待ってるよ彼氏。次は引くからな彼氏。結婚しよう彼氏。

ちなみにぼくは男です